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「もう会社に行けない。でも、自分からは辞めると言えない」。そんなときの選択肢が退職代行です。
ただ、退職代行は運営しているのが誰かによって、できることが法律で決まっています。料金や知名度だけで選ぶと、必要な対応をしてもらえないことがあります。2026年には、退職代行「モームリ」の運営会社と社長らが、利用者を弁護士に報酬目的であっせんしたとして弁護士法違反の罪で起訴されました。
この記事では、ランキングではなく「自分の状況ならどれを選べばいいか」を判断する基準をまとめます。料金を比べたい人は、退職代行おすすめ比較もあわせて読んでください。
※2026年9月時点の法律(民法・弁護士法・労働組合法)と報道をもとに書いています。個別の事情は、弁護士や労働局の相談窓口で確認してください。
結論:「会社と話し合う必要があるか」で選ぶ
| あなたの状況 | 選ぶ運営元 |
|---|---|
| 辞めると伝えてもらえれば十分。会社ともめていない | 民間企業・労働組合・弁護士のどれでも |
| 有給休暇の消化や退職日を、会社と話し合ってほしい | 労働組合または弁護士 |
| 未払いの給料・残業代を請求したい。損害賠償をほのめかされている。ハラスメントの問題がある | 弁護士 |
3つの運営元で、できることが違う
| 運営元 | できること | できないこと |
|---|---|---|
| 民間企業 | あなたの「退職します」という意思を会社に伝える(使者としての連絡) | 会社との交渉。弁護士を紹介して紹介料を受け取ること |
| 労働組合 | あなたが組合員になり、組合として会社と団体交渉する(退職日・有給休暇など) | 裁判や法的手続きの代理 |
| 弁護士 | 交渉、未払い賃金などの請求、損害賠償への対応、裁判まで | —(ただし費用は高めになりやすい) |
民間企業ができるのは「伝える」まで
弁護士法72条は、弁護士でない人が、報酬を得る目的で法律事件について代理や交渉などの法律事務を扱うこと、またそれを周旋(あっせん)することを、業として行うことを禁じています。民間企業の退職代行が会社と条件を交渉したり、利用者を弁護士に紹介して紹介料を受け取ったりすると、この規定に触れるおそれがあります。
モームリの事件で問われたのも、この「報酬目的のあっせん」でした。経緯は2025年10月の家宅捜索の記録と2026年2月の社長逮捕の記事にまとめています。
労働組合は「団体交渉」ができる
労働組合には、憲法28条で団体交渉権が保障されています。会社は、正当な理由なく団体交渉を拒むことはできません(労働組合法7条)。そのため、労働組合が運営する退職代行では、あなたがその組合に加入したうえで、組合として退職日や有給休暇について会社と話し合えます。
ただし、「労働組合と提携」「労働組合が対応」とうたっていても、実際に誰が会社とやり取りするのかは別の話です。申し込む前に、どの労働組合に加入するのか、組合の名前と所在地を確認しましょう。
弁護士は法律トラブルまで任せられる
未払いの残業代を請求したい、会社から「損害賠償を請求する」と言われている、といった場合は、弁護士に依頼するのが確実です。弁護士に依頼するメリットと費用の考え方は、退職代行を弁護士に依頼するメリットで解説しています。
申し込む前に確認する7つのこと
- 運営元:会社名・所在地・代表者名が公式サイトに書かれているか。弁護士なら所属の弁護士会、労働組合なら組合名
- 対応範囲:「伝えるだけ」なのか「交渉できる」のか。民間企業なのに「交渉」をうたっていないか
- 料金と追加料金:基本料金に何が含まれるか。組合費や追加料金がかかる条件は書かれているか
- 返金の条件:「全額返金保証」の条件(どんな場合に返金されるか)
- 表現:「退職成功率100%」「必ず辞められる」など、言い切る広告になっていないか
- 弁護士の紹介:途中で「弁護士を紹介します」と言われたら、紹介料が発生していないか確認する
- 退職後の書類:離職票・源泉徴収票の受け取りや、貸与品の返送について案内があるか
知っておきたい退職のルール
| 正社員など(期間の定めがない雇用) | 退職を申し入れてから2週間で雇用契約は終わる(民法627条1項)。会社の許可は要らない |
| 契約社員など(期間の定めがある雇用) | 原則は契約期間の終わりまで。やむを得ない事情があれば途中でも辞められる(民法628条)。1年を超える契約の場合、1年を過ぎればいつでも辞められる(労働基準法137条。一部の専門職などを除く) |
| 有給休暇 | 残っている日数は、退職日までに使える権利がある。ただし、退職日との調整が必要になることもある |
| 損害賠償 | 会社があらかじめ違約金や損害賠償の額を決めておくことは禁止されている(労働基準法16条)。退職したことだけを理由に賠償が認められるわけではないが、不安なら弁護士に相談を |
退職代行を使わない方法もある
- 退職届を郵送する:直接言えない場合は、退職届を郵送する方法もあります。届いた日を証明したいなら、内容証明郵便が使えます
- 総合労働相談コーナーに相談する:各都道府県の労働局や労働基準監督署にある、厚生労働省の無料の相談窓口です。「辞めさせてもらえない」などの相談ができます
- 弁護士に直接相談する:お金の請求やトラブルがあるなら、最初から弁護士へ
運営元を確認できる退職代行の例
未払い賃金や損害賠償など、法律トラブルの不安がある人は、弁護士が運営する退職代行を検討しましょう。弁護士法人が運営する「弁護士法人みやびの退職代行」の料金と対応範囲は、公式サイトで確認できます。
>公式サイトから確認する(クリック5秒で確認)女性向けの退職代行を探している人は、こちらの公式サイトで運営元・料金・対応範囲を確認してください。
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辞めたあとのお金も、先に確認しておく
退職代行で辞めても、失業給付などの手続きは自分で行います。退職理由や雇用保険の加入期間で受け取れるかどうかが変わるため、退職日を決める前に確認しておくと安心です。→ 退職前に失業給付を確認しないと怖い理由/失業保険はいつ何が変わった?制度改正の年表
まとめ
- 退職代行は、運営元(民間企業・労働組合・弁護士)でできることが法律で決まっている
- 伝えるだけなら民間企業でも可。話し合いが必要なら労働組合か弁護士。お金の請求やトラブルは弁護士
- 申し込む前に、運営元・対応範囲・追加料金・返金条件を公式サイトで確認する
- 正社員などは、申し入れから2週間で辞められる。無料の総合労働相談コーナーも使える



