職務経歴書がなかなか書けない。志望動機がどれも同じになる。面接の練習相手がいない。転職活動のこうした悩みは、ChatGPTなどの生成AIを使うと、かなり楽になります。
ただし、AIに丸投げすると「どこかで見たような書類」になったり、事実と違う内容が混ざったりします。この記事では、転職活動のどの場面で、どうAIを使えばいいかを、そのまま使える指示文(プロンプト)の例と、入力してはいけない情報とあわせてまとめます。
※2026年9月時点の内容です。特定のサービスに限らず、ChatGPT・Gemini・Claude・Microsoft Copilot など、文章を作れる生成AIなら同じように使えます。
AIが得意なこと・任せてはいけないこと
| AIに任せていい | 自分でやる |
|---|---|
| 書いた内容の整理・要約・言い換え | 経歴や実績の中身(事実)を決める |
| 読みやすい構成の提案、誤字の指摘 | 数字や日付が正しいかの確認 |
| 面接で聞かれそうな質問を出す、練習相手になる | 応募先企業の情報を公式サイトで確かめる |
| 自分では気づかない強みの候補を挙げる | 最終的な言葉を自分の言葉に直す |
生成AIは、もっともらしい文章を作るのは得意ですが、内容が正しいかどうかは保証しません。企業の情報や業界の数字をAIに聞いた場合は、必ず公式の情報で確かめましょう。
入力する前に:入れてはいけない情報
個人情報保護委員会は、生成AIサービスに個人情報を入力する際の注意を呼びかけています。入力した内容が、サービス側で学習などに使われる場合があるためです。
- 氏名・住所・電話番号・メールアドレス:「Aさん」「東京都在住」などに置き換える
- 今の会社の社外秘の情報:取引先名、未公開のプロジェクト、売上の内訳など。「大手メーカー向け」「年間売上○億円規模」のようにぼかす
- 同僚や上司の個人情報:名前や評価などは入れない
多くのサービスには、入力した内容を学習に使わせない設定があります。使う前に、設定画面で確認しておきましょう。
場面別:AIの使い方と指示文の例
1. 自己分析:経験から強みの候補を出してもらう
いきなり「私の強みは?」と聞いても、AIはあなたを知りません。まず、これまでの仕事でやったこと・工夫したこと・結果を箇条書きで書き出して、それを渡します。
指示文の例:「以下は私の仕事の経験です。ここから読み取れる強みを5つ挙げ、それぞれ根拠になる経験を示してください。根拠が弱いものは『根拠が弱い』と書いてください。」
「根拠が弱いものは指摘して」と頼むと、持ち上げすぎを防げます。
2. 職務経歴書:自分で書いた下書きを整えてもらう
AIにゼロから書かせるより、自分で書いた下書き(箇条書きでもOK)を整えてもらうほうが、中身のある書類になります。
指示文の例:「以下の箇条書きをもとに、職務経歴書の職務要約を200字程度で作ってください。書かれていない実績や数字は付け足さないでください。」
「付け足さないで」は大事です。AIは文章を良く見せようとして、あなたがやっていない実績を書き足すことがあります。事実と違う経歴を書くと、内定の取り消しなどにつながるおそれがあります。
3. 志望動機:応募先ごとに「つながり」を探す
応募先の公式サイトや求人票から、事業内容・求める人物像を自分で読み、要点をAIに渡します。
指示文の例:「応募先の求人票の要点と、私の経験を以下に書きます。私の経験と、この会社の仕事がつながる点を3つ挙げてください。そのうえで300字の志望動機の下書きを作ってください。」
できた下書きは、そのまま使わずに、自分が面接で口に出して言える言葉に直しましょう。
4. 面接準備:質問を出してもらい、答えにツッコんでもらう
指示文の例:「あなたは○○業界の採用担当者です。私の職務経歴(以下)を読んで、面接で聞きそうな質問を10個出してください。」「私の回答(以下)に対して、面接官が追加で聞きたくなる点と、わかりにくい点を指摘してください。」
音声で会話できるAIなら、声に出して答える練習もできます。転職理由の伝え方は、面接で転職理由を前向きに言い換える12パターンも参考にしてください。
5. 求人票の読み取り:気になる点を洗い出す
指示文の例:「以下の求人票を読んで、面接や内定後に確認したほうがいい点(給与の内訳、残業、休日、試用期間など)を挙げてください。」
AIが挙げた点を、自分で確認するリストとして使います。→ 求人票と面接で見る15のサイン/内定後の確認リスト7つ
AIで作った書類を出す前のチェック
- 書かれている経歴・数字・日付は、すべて事実か
- 応募先の会社名・事業内容は、公式サイトと合っているか
- 面接で「具体的には?」と聞かれても答えられるか
- ほかの会社向けに作った文章の会社名が残っていないか
- 自分が普段使わない言い回しになっていないか
AIだけで決めないほうがいいこと
「転職すべきか」「どの会社を選ぶべきか」は、AIに聞くと、それらしい答えが返ってきます。でも、あなたの家計や体調、職場の人間関係まではAIにはわかりません。判断の材料を整理するのに使い、決めるのは自分で。迷ったときは「残るか辞めるか」の判断軸も読んでみてください。
第三者の意見がほしいときは、転職エージェントの担当者に書類を見てもらうのも一つの方法です。→ 転職エージェントの選び方と使い方
まとめ
- AIは「自分で書いた下書きを整える」「質問を出してもらう」使い方が効果的
- 氏名・連絡先・今の会社の社外秘情報は入力しない。学習に使わせない設定も確認
- 「書かれていないことは付け足さないで」と指示し、出てきた内容は事実か必ず確かめる
- 最後は自分の言葉に直す。面接で説明できない書類は出さない



