1. 退職代行「モームリ」が企業別の利用状況データを公開

退職代行サービス「モームリ」を運営するアルバトロスは、2022年3月から2025年1月31日までの期間における利用状況データを発表しました。
このデータでは、最も退職代行が利用された企業の業種や回数が公表されており、特定の業界での利用が特に多いことが明らかになっています。
近年、退職代行サービスの需要は急速に拡大しています。
これは、職場環境や人間関係の問題、退職時のトラブル、上司からの引き止めなど、様々な理由で自力での退職が難しくなっている労働者が増えているためです。
特に、契約社員や派遣社員などの雇用形態において、退職の自由が制限されるケースが多く、退職代行を利用する傾向が強まっています。
今回発表されたデータによると、最も退職代行が利用されたのは「人材派遣会社」で、104回の利用が記録されました。
次いで「コンビニチェーン」が65回、「運送会社」が55回と続いています。このランキングを見ると、特定の業界において労働環境の問題が深刻化していることが伺えます。
次の章では、具体的な企業ランキングと、どの業種で退職代行の利用が多かったのかを詳しく見ていきます。
2. 最も退職代行が利用された企業上位10社のランキングと業種別傾向

今回発表されたデータによると、退職代行「モームリ」が最も利用された企業のランキングは以下の通りです。
【退職代行利用回数ランキング(上位10社)】
- 人材派遣会社(104回)
- コンビニチェーン(65回)
- 人材派遣会社(57回)
- 運送会社(55回)
- 自動車販売会社(49回)
- 人材派遣会社(48回)
- 運送会社(46回)
- 医療・福祉・教育関連サービス(46回)
- 食品製造・販売会社(45回)
- 人材派遣会社(41回)
業種別の傾向
このランキングから、特に退職代行の利用が多い業界が浮かび上がります。
1. 人材派遣会社(上位10社中4社がランクイン)
人材派遣会社が上位10社の中で4社もランクインしており、業界全体で退職代行の利用が多いことが分かります。
実際に、上位40社のうち16社が人材派遣業であり、全体の4割を占めています。
派遣社員は、就業先が頻繁に変わることが多く、契約内容や労働環境に不満を感じるケースが少なくありません。
また、契約終了時のトラブルや、退職の際の引き止めが多いため、スムーズに退職するために退職代行を利用する傾向があると考えられます。
2. コンビニチェーン(65回)
コンビニ業界も退職代行の利用が多い業種の一つです。
24時間営業の厳しい労働環境や、人手不足による長時間労働が原因で、従業員がストレスを抱えやすい業界です。
また、アルバイトや契約社員として働く人が多く、シフト制のために退職の際の引き止めが強いことも影響していると考えられます。
3. 運送業界(55回・46回)
運送業界は慢性的な人手不足が続いており、労働時間の長さや過酷な業務内容が問題視されています。
特に、長距離ドライバーなどは休憩時間が確保しづらく、体力的な負担も大きい仕事です。
そのため、退職を決意しても上司から強く引き止められたり、退職届を受け取ってもらえなかったりするケースが多く、退職代行の利用につながっていると考えられます。
4. 医療・福祉・教育関連サービス(46回)
医療・福祉・教育業界は、責任の重い仕事が多く、人手不足の影響で一人ひとりの負担が大きくなりがちです。
また、特に医療や介護の現場では、シフト制のために急な退職が難しいという問題があります。
そのため、退職代行を利用してスムーズに辞めたいと考える人が多いのかもしれません。
5. 自動車販売業(49回)・食品製造業(45回)
これらの業界では、ノルマが厳しい職場が多く、精神的な負担が大きいことが退職理由として挙げられます。
特に営業職では、売上目標を達成できないプレッシャーや、職場の人間関係が原因で退職を考える人が多いようです。
このように、特定の業界において退職代行の利用が多い背景には、労働環境や退職手続きの難しさが関係していることが分かります。
次の章では、特に人材派遣業界で退職代行の利用が多い理由について詳しく掘り下げていきます。
3. なぜ人材派遣会社での退職代行利用が多いのか?

今回のデータで最も多く退職代行が利用されたのは人材派遣会社でした。
上位10社のうち4社、上位40社のうち16社を占めており、全体の約4割に達しています。では、なぜ派遣業界で退職代行の利用が多いのでしょうか?
1. 派遣社員の労働環境の不安定さ
派遣社員は、正社員と異なり、短期間の契約で働くケースが多く、勤務先の環境が一定ではありません。
派遣先の企業によっては、業務内容が想定と異なったり、人間関係に悩まされたりすることもあります。
また、派遣元(派遣会社)と派遣先(実際に働く企業)の二重構造になっているため、労働環境の問題をどこに相談すればよいのか分からないこともあります。
その結果、退職を考えてもスムーズに話を進められず、退職代行を利用する人が増えていると考えられます。
2. 退職時の引き止めや契約トラブル
派遣社員が退職を申し出ると、派遣会社から契約途中での退職は違約金が発生すると脅されたり、派遣先の企業から「契約満了までは辞められない」と言われたりするケースが報告されています。
本来、労働者は自由に退職する権利を持っています。
しかし、派遣業界では「途中退職は迷惑がかかる」との理由で強引に引き止められることが多く、結果として退職代行に頼る人が増えていると考えられます。
3. 退職手続きをめぐるトラブルの多さ
派遣社員の退職時には、派遣会社との契約解除手続き、派遣先企業への引き継ぎ、社会保険の手続きなど、複雑な事務処理が発生します。
これらを個人で対応するのが難しいため、「面倒な手続きをすべて代行してほしい」という理由で退職代行を利用するケースもあります。
4. 労働環境や人間関係の問題が多い
派遣業界では、職場ごとの労働環境に大きな差があります。
特に以下のような問題が指摘されています。
- 派遣先の社員から冷遇される(派遣社員への差別的な扱い)
- 突然の契約打ち切り(安定した収入を得にくい)
- 業務内容が契約時と異なる(契約外の仕事を押し付けられる)
- パワハラやセクハラの被害(相談しても派遣会社が対応してくれない)
このような問題が発生すると、精神的な負担が大きくなり、「もう辞めたいけど、自分では辞められない」と感じる人が退職代行を利用する傾向にあるのです。
派遣業界の課題と今後の動向
人材派遣業界における退職代行の利用が増えていることは、労働環境の改善が急務であることを示しています。
派遣社員の離職率を下げるためには、以下のような取り組みが求められます。
- 派遣社員の働きやすい環境づくり(派遣先企業と連携したサポート体制)
- 適正な契約管理と透明性の向上(契約内容の明確化と説明の徹底)
- 退職時の手続きをスムーズに行う体制の整備(引き止めや違約金の請求を防ぐ)
アルバトロス社が提供する「MOMURI+(モームリプラス)」は、企業向けに退職者のフォローや職場環境の改善支援を行うサービスです。
このような取り組みが進めば、派遣社員が安心して働ける環境が整っていく可能性があります。
次の章では、退職代行の増加が示す企業の課題と対策について詳しく解説します。
4. 退職代行の増加が示す企業の課題と対策

退職代行「モームリ」の利用状況から、特定の業界で労働環境に課題があることが浮き彫りになりました。
では、なぜ退職代行の利用が増えているのでしょうか? ここでは、企業側が抱える課題と、今後求められる対策について詳しく解説します。
1. 退職者の声から見える企業の問題点
退職代行を利用する人の多くは、自分では円滑に退職できない状況に置かれています。
主な退職理由として、以下のような声が挙がっています。
- 「退職を申し出ても上司に無視される」
- 「契約上は自由に辞められるはずなのに、違約金を請求された」
- 「退職を伝えた途端に職場で嫌がらせを受けた」
- 「人手不足を理由に、退職届を受理してもらえない」
このように、労働者の退職の自由が制限されているケースが多く見受けられます。
企業側が適切に対応しなければ、今後も退職代行の利用者は増え続ける可能性があります。
2. 企業が取り組むべき労働環境改善策
退職代行の利用が増えている背景には、働く環境の問題があります。
企業が従業員の定着率を上げ、離職率を下げるためには、以下のような取り組みが必要です。
① 適正な労働時間の管理と休息の確保
長時間労働が常態化している職場では、従業員の不満が蓄積しやすくなります。
特にコンビニ業界や運送業界では、シフト制や過酷な労働環境が原因で、退職希望者が増えています。
- 具体策:法定労働時間の遵守、休日の確保、過重労働の防止策を導入
② ハラスメント対策の強化
退職理由としてパワハラやセクハラが多いことも指摘されています。
特に派遣社員の場合、派遣先の企業でハラスメントを受けても、派遣元が適切に対応しないケースがあります。
- 具体策:社内相談窓口の設置、外部機関との連携、定期的な研修実施
③ 退職手続きの簡素化とスムーズな対応
退職を申し出た際に、上司が引き止めることで辞められないというケースも多く見られます。
企業がスムーズな退職手続きを整備することで、退職代行の利用を防ぐことができます。
- 具体策:退職手続きのガイドライン整備、オンラインでの手続き導入、管理職向けの研修
④ 派遣社員の雇用環境の改善
派遣社員が退職代行を利用する背景には、契約の不透明さや雇用の不安定さがあります。
- 具体策:派遣契約の内容を明確化、労働環境の実態把握、契約途中の退職に関する明確なルール作り
3. 「MOMURI+(モームリプラス)」の導入とその目的
退職代行を運営するアルバトロスは、企業の離職率改善を目的とした新サービス「MOMURI+(モームリプラス)」を導入しました。
MOMURI+の主な特徴
- 退職希望者の声を分析し、企業にフィードバック
- 労働環境改善のためのコンサルティング提供
- 従業員満足度を向上させる施策の提案
この取り組みは、企業側が労働環境を改善するきっかけとなり、結果的に退職代行の利用を減らす効果が期待されます。
このように、退職代行の増加は企業の課題を浮き彫りにする指標とも言えます。
次の章では、今後の働き方の課題と展望についてまとめます。
5. まとめ 退職代行のデータから見る今後の働き方の課題と展望

退職代行「モームリ」の最新データから、特定の業種で退職代行の利用が多いことが明らかになりました。
特に人材派遣業界では、契約トラブルや労働環境の問題により、退職がスムーズに進まないケースが多く、退職代行の需要が高まっています。
退職代行の利用が示す3つの課題
- 企業の労働環境改善の必要性
- 長時間労働、ハラスメント、退職時のトラブルが原因で、退職代行の利用が増加
- 働きやすい職場づくりが企業の課題
- 派遣社員の雇用制度の見直し
- 契約途中の退職に関するルールが曖昧で、トラブルが発生しやすい
- 労働者の権利を守るための制度整備が求められる
- 退職手続きのスムーズ化
- 退職希望者が適切に対応されず、やむを得ず退職代行を利用するケースが多い
- 企業側が円滑な退職手続きを確立することで、退職代行の利用を減らせる
今後の働き方と企業の対応
今後、企業側は以下のような対応を強化することが求められます。
- 労働環境の改善(労働時間の適正管理、ハラスメント防止策の導入)
- 派遣社員や契約社員の雇用条件の透明化
- 退職手続きをシンプルにし、引き止めのない健全な対応を徹底する
また、退職代行を運営するアルバトロスが提供する「MOMURI+(モームリプラス)」のようなサービスを活用し、企業が退職者の声を分析・改善する取り組みも重要になってきます。
結論:退職代行は今後も増加するのか?
退職代行の利用は、今後も一定数続くと予想されます。
しかし、企業側が労働環境を改善し、従業員が安心して働ける職場づくりを進めることで、退職代行の利用を減らすことも可能です。
退職代行のデータは、企業の現状を映し出す重要な指標のひとつです。
このデータを活用し、働く人がより良い環境で仕事ができる社会の実現に向けて、企業と労働者の双方が歩み寄ることが求められています。
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