
埼玉銘菓「十万石まんじゅう」が、メーカーの許可なくインターネット通販で転売されているとして、製造・販売元の十万石ふくさやが注意を呼びかけています。
2026年9月5日に配信されたテレビ朝日系(ANN)の報道では、公式価格より高く販売し、夏場にもかかわらずクール便ではなく通常便で発送している転売業者を取材。十万石ふくさやは、公式ルート外の商品について保管状況や賞味期限、品質、安全性を確認できないと説明しています。
ただし、注意したいのは、食品の転売行為そのものがすべて直ちに違法になるわけではないという点です。一方で、食品衛生法は食品の貯蔵・運搬・販売を清潔かつ衛生的に行うよう求めており、温度管理の不備によって健康を損なうおそれのある食品を販売すれば、法令違反に問われる可能性があります。
この記事では、十万石ふくさやの公式発表、商品情報、ANNの取材内容、食品衛生法を照合し、転売品の問題点や公式通販の見分け方を事実ベースで整理します。
結論|十万石まんじゅう転売問題の要点

| 論点 | 2026年9月5日時点で確認できる内容 |
|---|---|
| メーカーの発表 | 8月30日、公式サイトで無許可の営利目的転売について注意喚起 |
| 確認された通販サイト | Yahoo!ショッピング、Amazon、その他の通販サイトと公式発表に記載 |
| 商品価格 | 公式の10個入りは税込1,900.8円。ANNが確認した転売品は2,930円 |
| 配送方法 | 公式は夏場の生菓子をクール便で発送。取材対象の転売業者は通常便で発送すると説明 |
| 賞味期限 | 公式商品ページでは4〜5日 |
| 品質・安全性 | メーカーは転売後の保管・管理を確認できず、保証できないと説明 |
| 転売の違法性 | 食品転売を一律に禁止する法律はないが、保管・運搬状態などによって食品衛生法違反となる可能性がある |
| 消費者への対応 | 公式販売先以外で購入した商品は、メーカーによる返品・交換・返金の対象外 |
安くない価格で購入する問題だけではありません。十万石まんじゅうは賞味期限が短い生菓子で、公式は夏場の発送にクール便を使用しています。転売品では購入後の保管場所、保管温度、仕入れ日、再発送までの日数をメーカーが追跡できないことが、食品ならではの大きなリスクです。
何があった?十万石ふくさやが8月30日に注意喚起
十万石ふくさやは2026年8月30日、公式サイトに「インターネット通販における不正転売にご注意ください」とのお知らせを掲載しました。
同社によると、Yahoo!ショッピングやAmazonなどで、「十万石まんじゅう」をはじめとする商品が、メーカーの許可なく営利目的で本来とは異なる価格で出品・販売されていることを確認したといいます。
転売品はメーカーの管理を離れた後の保管状況を確認できません。賞味期限や商品の状態が公式販売品と異なる場合もあり、品質と安全性を保証できないとして、消費者に公式販売サイトの利用を求めています。
公式ルート外で購入した商品について、十万石ふくさやは返品、交換、返金などの対応を行わないと明記しています。
9月5日の報道内容|高値販売と通常便での発送
テレビ朝日系(ANN)は、インターネット上で十万石まんじゅうを転売しているとみられる業者を取材しました。報道で確認された主な内容は次のとおりです。
- 公式では税込約1,900円の10個入りが、転売サイトでは2,930円で販売されていた
- 業者はメーカー公式の販売ではないことを認めた
- 約2年間で販売したのはおよそ20セットと説明した
- 利益は1セット当たり100円程度と説明した
- 近隣で仕入れられる商品として販売を始めたという
- 夏場でもクール便ではなく通常便で発送していると説明した
ここで示された販売件数や利益額は、取材を受けた業者本人の説明です。通販サイト全体の転売件数や、すべての出品者の配送方法を示す数字ではありません。
また、2,930円という表示価格と公式価格の差額が、そのまま業者の利益になるわけではありません。商品の仕入れ代、通販サイトの手数料、送料などがあるためです。ただし、購入者から見れば、公式販売より高い価格でありながら、メーカーの品質保証やアフター対応を受けられない点に注意が必要です。
公式価格はいくら?10個入りは税込1,900.8円
十万石ふくさやの公式商品ページに掲載されている、通常の「十万石まんじゅう詰合せ」の価格は次のとおりです。
| 内容量 | 公式税込価格 |
|---|---|
| 5個 | 907.2円 |
| 10個 | 1,900.8円 |
| 15個 | 2,808円 |
| 20個 | 3,672円 |
| 25個 | 4,590円 |
| 30個 | 5,508円 |
通販では、この商品代金に送料が加わります。冷蔵・冷凍商品にはクール便料金も必要です。そのため、比較するときは商品価格だけでなく、送料、クール便料金、販売者名、発送元を含めて確認する必要があります。
ANNが紹介した転売品は10個入り2,930円でしたが、通販サイトには時期や出品者によって別の価格が表示される可能性があります。現在の価格は、公式オンラインショップの商品ページで確認するのが確実です。
なぜ通常便が問題?賞味期限は4〜5日

十万石まんじゅうは、国産つくね芋と新潟県産コシヒカリの粉を使った薯蕷皮で、北海道十勝産小豆のこしあんを包んだ生菓子です。公式商品ページに記載された賞味期限は4〜5日と短く、アレルギー物質として小麦と山芋が示されています。
十万石ふくさやの配送案内では、十万石まんじゅうなどの生菓子は、夏場にはクール便で発送すると明記されています。ANNの取材に応じた十万石ふくさや担当者は、店舗ではおおむね25〜28℃の範囲を基本に温度管理していると説明しました。
転売業者が店頭で購入してから再発送する場合、次の情報をメーカーが管理できなくなります。
- 購入後、発送まで何日保管されていたか
- 車内、倉庫、自宅などで何度の環境に置かれていたか
- 賞味期限までの日数がどの程度残っているか
- 配送中に直射日光や高温にさらされていないか
- 包装が開封・破損していないか
特に暑い時期は、通常便の荷物が常に一定の温度で運ばれるとは限りません。転売品が必ず劣化しているという意味ではありませんが、公式ルートと同じ保管・配送条件だったことを確認できない点が問題です。
賞味期限内なら安全とは限らない
消費者庁は、賞味期限や消費期限について、表示された保存方法を守り、未開封で保存した場合を前提とする期限だと案内しています。
つまり、パッケージに記載された賞味期限が残っていても、途中で高温の場所に長時間置かれるなど、定められた方法と異なる条件で保管・配送されていれば、期限表示だけを根拠に品質を判断することはできません。
賞味期限は「その日を過ぎた瞬間に危険になる日」ではありませんが、「保存状態に関係なく安全が保証される日」でもありません。短期間で食べる生菓子では、購入元と配送方法の確認が重要です。
食品の転売は違法?一律禁止ではない
ANNは、食品の転売自体を一律に禁止する法律上の規制はなく、今回取材した業者の転売行為が直ちに違法になるわけではないと報じています。
一方、食品を販売する以上、食品衛生上の責任がなくなるわけではありません。食品衛生法第5条は、販売用食品の貯蔵、運搬、陳列、授受などを清潔かつ衛生的に行うよう定めています。第6条は、腐敗・変敗した食品や、有毒・有害な物質を含む食品などの販売を禁止しています。
ANNの取材では、厚生労働省が、温度管理などを理由に健康被害を及ぼすおそれのある食品を販売すれば、食品衛生法違反に問われる可能性があると説明したとされています。
なお、販売する食品の種類、仕入れ方法、保管設備、営業形態などによって、営業許可や営業届出が必要になる場合があります。個別の出品が法令に違反するかは、具体的な販売状況を基に保健所などが判断する問題です。単に「転売だから犯罪」「許可がないから必ず違法」と断定することはできません。
「不正転売」は偽物という意味ではない
十万石ふくさやは公式発表で「不正な転売」という表現を使っています。これは、同社の許可なく営利目的で、本来の販売価格とは異なる価格で販売されていることへの注意喚起です。
現時点の公式発表やANNの報道は、確認された商品が偽物だったとはしていません。また、健康被害が発生したとの公表も確認できません。
問題の中心は、メーカーが認めていない流通経路であり、販売後の保管状態、賞味期限、配送温度、品質を追跡・保証できないことです。「転売品=偽物」「通常便=すでに腐敗」と決めつけず、確認されたリスクを正確に捉える必要があります。
十万石まんじゅうの公式通販は4系統

十万石ふくさやが2026年8月30日付のお知らせで案内している公式インターネット販売先は、次の4系統です。
- 十万石公式オンラインショップ
- まるひろオンラインショップ
- JTBショッピング
- 行田市ふるさと納税の取扱いサイト
同社は、これら以外の通販サイトで販売される商品は、公式に販売・承認したものではないと説明しています。
Yahoo!ショッピングやAmazonというサイト名だけを見て「公式」と判断することはできません。モール型通販サイトでは複数の事業者が商品を出品するため、商品ページに表示される販売者名と発送元まで確認することが大切です。
転売品を買わないための確認ポイント
- 十万石ふくさやの公式サイトから販売ページへ移動する
- 販売者名と発送元を確認する
- 商品価格を公式商品ページと比較する
- 賞味期限や発送予定日が明記されているか確認する
- 夏場の配送方法がクール便か確認する
- 返品・交換・返金の条件を購入前に確認する
検索結果や通販サイト内の「おすすめ」「最安値」といった表示だけでは、公式販売かどうかを判断できません。十万石ふくさやの公式サイトに掲載された販売先一覧を起点にするのが安全です。
すでに転売品を購入した場合はどうする?
届いた商品に高温、包装の破損、不自然なにおい、変色、カビなどの異常がある場合は、無理に食べないでください。商品、包装、賞味期限表示、送り状、注文履歴の画面を保存し、まず購入先の販売者や通販サイトの窓口へ連絡します。
十万石ふくさやは、公式販売先以外で購入した商品の返品・交換・返金には応じないとしています。メーカーの公式商品だと思って購入したのに販売者が異なっていた場合は、商品ページの表示や注文確認メールも証拠として保管しておくとよいでしょう。
食べた後に吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、発熱などの症状が出た場合は、医療機関を受診してください。食品が原因と思われる場合は、商品や包装を捨てずに保管し、居住地を管轄する保健所へ相談すると原因調査に役立つ場合があります。
よくある質問

転売された十万石まんじゅうは偽物ですか?
公式発表は偽物だとはしていません。メーカーが許可していない販売ルートで、保管・管理状態を確認できないため、品質や安全性を保証できないと注意喚起しています。
通常便で届いたら食べられませんか?
通常便で届いたという情報だけで、食べられないと断定することはできません。ただし、公式は夏場の生菓子をクール便で発送しています。どのような温度で何日間保管・配送されたか分からず、異常がある場合は食べないのが安全です。
公式の10個入りはいくらですか?
2026年9月5日時点の公式商品ページでは、税込1,900.8円です。通販の場合は別途送料がかかり、夏場はクール便料金も加わります。
十万石まんじゅうの賞味期限は何日ですか?
公式商品ページの記載は4〜5日です。これは表示された保存方法を守った場合の期限であり、転売品の保管状態を保証するものではありません。
Yahoo!ショッピングやAmazonで買うとすべて転売品ですか?
サイトに出品されているすべての商品について一括して断定はできません。ただし、十万石ふくさやが公式通販として案内しているのは、公式オンラインショップ、まるひろオンラインショップ、JTBショッピング、行田市ふるさと納税の取扱いサイトです。購入時は販売者名と公式一覧を照合してください。
食品の転売は犯罪ですか?
転売行為だけで直ちに犯罪になるとは限りません。ただし、食品の保管・運搬・販売には食品衛生法などが適用され、健康を損なうおそれのある状態で販売すれば違反となる可能性があります。営業形態によって必要な手続きも異なります。
まとめ|価格だけでなく保管・配送経路を確認
- 十万石ふくさやは8月30日、ネット通販での無許可転売について公式に注意喚起
- 転売品はメーカーが保管状況、賞味期限、品質、安全性を保証できない
- ANNは、10個入りが公式価格より高い2,930円で販売された例を報道
- 取材対象の業者は、夏場もクール便ではなく通常便で発送すると説明
- 公式の10個入りは税込1,900.8円で、賞味期限は4〜5日
- 食品の転売自体は一律禁止ではないが、衛生状態によって食品衛生法違反となる可能性がある
- 公式通販は4系統で、購入時はサイト名だけでなく販売者と発送元の確認が必要
今回の問題は、単なる高額転売の話にとどまりません。メーカーの管理を離れた生菓子が、賞味期限の短い夏場にどのような環境で保管・配送されたのか、購入者が確認しにくい点が重要です。
十万石まんじゅうを通販で購入するときは、十万石ふくさやの公式サイトから正規の販売先へ進み、価格、販売者、発送元、配送方法を確認しましょう。
※本記事は2026年9月5日時点で公表されている情報を基に作成しています。通販価格や販売状況、公式販売先は変更される場合があります。食品の状態に異常がある場合は食べず、販売者や通販サイト、必要に応じて保健所へ相談してください。